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とある魔術の禁書目録 SS
『とある幻想の白黒色彩(モノクローム) 第12話 吸血徘徊(ブラッド・ウォーク)@』


樋口製薬・第七薬学研究センターは、ほんの数ヶ月前まで超電磁砲(レールガン)量産計画『妹達(シスターズ)』に取り組んでいた第一線級の研究所である。
しかし、『妹達(シスターズ)』計画が凍結された現在はほぼその機能を停止し、新しいテーマが定まるまでは研究員も常勤していない宝の持ち腐れのような状態になっていた。
受付や警備員の詰め所に最低限のガードマンはいるはずであるが、先日、機密情報が完全に消去された関係でそちらも数人しかいないせいか、まるで人気が感じられない。
そんな研究所の奥にある、薄暗い研究室のデスクの上ではパソコンの明かりが煌々と周囲を照らしていた。
太陽光を完全に遮る暗室のような部屋には、少女の姿。
年のころは13〜14。
金色の髪に真紅の瞳をした、西洋人形のような風貌の少女である。
少女は無線LANのカードを刺したノートPCのキーボードをカタカタと手際よくタイピングしながら、左手で真っ赤な色をした液体が入ったコップを手に取ると、ストローで口に含む。

じゅるじゅる、・・・じゅぅ〜〜

半分ほど残されていた少し粘度のあるソレを飲み干した少女が、赤く染まった唇をなぞるように舌を這わせてから再びパソコンモニタ上にあるウインドウを見つめなおす。
キーボードの横に無造作に置いたコップが、さらり、と砂のように崩れて消えたが、そんなものに目を向けることもない。
ゴウゴウ、と唸りを上げる人間よりも機械や研究試薬のことを考えて設定されたエアコンの底冷えする風を浴びながら、少女は薄着でむき出しの肩を震わせることもなく一身にパソコンへと向かいながら瞳を輝かせていた。




555 名前:karumera◆2de1152ed [sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:10:11 ID:???
>>531
妖怪騒動は幻想殺し(イマジンブレイカー)に全て消されたらしい
解散

556 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:10:45 ID:???
>>555
妄想乙
ソース出せ

557 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:10:50 ID:???
>>555
幻想殺し(イマジンブレイカー)って何だよww
厨2設定wwwww

558 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:10:51 ID:???
>>555
蝶☆展☆開☆キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

559 名前:karumera◆2de1152ed [sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:11:21 ID:???
本当ですぞ
緑の恐竜よりも赤い雪男の方がかっこいいのと同じぐらい本当ですぞ

560 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:11:30 ID:???
>>559
ムック乙

561 名前:レベル0の名無しさん[sage]投稿日:200X/8/14(金) 16:11:34 ID:???
>>559
てめぇ、ガチャピンさんディスってんのか!?

562 名前:レベル4◆SXIL+INII [sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:12:01 ID:???
そーいえば幻想殺し(イマジンブレイカー)聞いたことある
どんな能力も効かないって話

563 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:12:38 ID:???
漏れも聞いた
超能力者(レベル5)超電磁砲(レールガン)と一晩中追いかけっこしてたとか噂があった

564 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:12:51 ID:???
>>563
マジでっ!!?>AA略

565 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:13:00 ID:???
>>563
美琴たんと?
テラウヤマシス・・・

566 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:13:32 ID:???
>>563
幻想殺し(イマジンブレイカー)死ね、氏ねじゃなくて死ね

567 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:13:40 ID:???
>>566
通報しますた

568 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:14:04 ID:???
美琴たんと言えば妹達(シスターズ)計画ってマジ?
これこそ都市伝説だろ?

569 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:14:45 ID:???
>>568
一家に1人、美琴たんww

570 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:15:20 ID:???
>>569
軍事用よりよっぽど需要ありそうだなww
購入ケテイwwww

571 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:15:31 ID:???
>>569
ちょwおまwww
売っている場所教えろwww
いや、教えてくださいwwwwww

572 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:16:11 ID:???
話ずれすぎ
第三位の話題はスレ違い
専門スレがあるから誘導します
→ 【常盤台中学】御坂美琴は電撃姫可愛い20

573 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:16:19 ID:???
>>559
自治厨乙

574 名前:karumera◆2de1152ed [sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:16:21 ID:???
幻想殺し(イマジンブレイカー)に触れられると能力が無効化されるんだが、
今日出てきた妖怪はその能力で消滅したらしい

575 名前:メイド命◆TSUTI7c2d [sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:17:16 ID:???
目撃者登場
第七学区の宇治橋事件に居合わせたけど、ぶっちゃけマジだにゃー
黒髪の男が触れたら金髪少女の妖怪が普通に消えたぜい

576 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:17:51 ID:???
うはww
幻想殺し(イマジンブレイカー)最強じゃねえかwww

577 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:18:00 ID:???
妖怪少女と結局あえんかったのはソイツが原因か・・・
俺の発火能力(レベル0)でブチ殺しけてーい

578 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:18:15 ID:???
返り討ちだろ、jk

579 名前:レベル0の名無しさん[sage] 投稿日:200X/8/14(金) 16:18:23 ID:???
>>577
無茶しやがって・・・>AA略




「よお・・・、そろそろいいかい」

パソコンに向かってスレッドの内容を確認しつつも自らもいくつかのレスを返していた少女は、その声に気付くと椅子を反転させて振り向いた。
少女の視界に、彼女にとっては取り立てて特徴を述べる必要もないような青年の姿が映る。
ラフな服装に鋭い眼光、瞳にかかりそうなほどの長めの髪は少し跳ねているようだ。
年のころは恐らく高校生ぐらい・・・ということは。

「・・・ただの能力者」
「違うぜ、とびきりの能力者だ」

青年は少女の呟きに答えながらも、慣れ親しんだとしか思えない自然な動きでジャケットの内ポケットに忍ばせていた拳銃を取り出した。
ピタリ、と何の躊躇もなく少女の眉間に狙いをつける。

「さっさとくたばれコラ」

パンパンパン、続けて数発の弾丸が問答無用で発砲される。
木偶のように動くことさえ出来なかった少女の頭にいくつもの穴を開けていくと、霧のような細かい真っ赤な液体が周囲に舞った。

「・・・ひどい男ね。
こんないたいけな少女を躊躇いなく殺すなんて」
「そーいうことはキチンと死んでから言うもんだ」

軽い口調で物騒なことを言いながらも、青年はさらに拳銃の引き金を引き続ける。
瞳、口、喉、肺、心臓・・・と順番に撃ち抜いていって、弾が無くなったことに彼は気がついた。

「そう言えば、ここに来るまでに何人か警備員がいたはずよ?
どうしたのかしら?」

それでも少女は身体中を穴だらけにされ、しゅうしゅうと、赤い飛沫と煙を立ち上らせながら気にした様子も見せずに呟く。
青年はココに来て初めて、少しだけ動揺したかのように舌打ちをしてから律儀に返事をする。

「決まってんだろ。
全員火葬だ」
「・・・ただの人間だったんだけどね」
「知るかよ、俺ははむかうヤツには容赦はしねぇ」

もう少し束縛を弱めに設定しておくべきだったか、と呟く少女の声は、青年の身体を中心として突如として起こった爆発によって遮られた。
周囲のオフィスチェアを弾き浮かせ、デスクの上のノートPCを空に舞い上がらせ、少女の身体を紙切れのように吹き飛ばす。
壁と天井に勢い良くぶつかった少女は、そのままゴロゴロと青年の足元へと計算され尽くされたかのように転がった。

「さあ、吐け。
お前は何者で、何処でこんな悪ふざけを思いついた」
「お断りだよ、三下」

青年の足元で転がりながらも、くつくつ、と笑みを零しながら少女は答える。
その笑いが、死滅へのカウントダウンだと、そんなことは互いに良く分かっていた。

「じゃあめんどくせえ。
死んじまいな」

青年の背中に、一瞬6枚の翼を幻視する。
鉄面皮だった少女の瞳に始めて驚きの色が込められると同時に、彼女の身体は木っ端微塵に爆散した。
部屋中に、真っ赤な霧のようになってしまった少女の中身が舞う。
一欠片の肉片すら残さずに消し飛ばしてしまった少女の目的をどうやって探ろうかと考えていた青年は、そこで違和感を覚える。

「・・・何だ?」

そう。
血というのは、普通、こんなにも霧状に空気に四散するものだったか?
そんな疑問だ。
何しろ、吹き飛ばしたはずの少女の血は、いつまでもずっとこの部屋の中で赤い霧として残存して彼の視界を乱している。

「くそ・・・っ。
何だって言うんだ、こいつは!?」
「知りたい?」

背後から聞こえた少女の声にさすがに慌てて青年は振り返るが、そこにも変わらず真っ赤な霧が周囲を占めるだけである。
だが、学園都市の暗部として命のやり取りに従事している者として、この状況のヤバさを青年はよく理解していた。

「教えてあげるよ」

再び背後から聞こえた声に振り向くが、やはり少女は影も形も見当たらない。
青年は己の信じる最強の力のカタチを背中に具現化しようとして・・・

「吸血鬼って・・・不死身なんだ。
面白いでしょ」

それはわずかなタイミングの差で間に合わなかった。
とびきりの秘密を暴露する子供のような自慢げな声が聞こえたかと思うと、青年の首筋にズキリとした鋭い痛みが走り、そのまま彼の意識は失われたのだった。





初春が腕時計に目を落とすと、時刻は16時40分を廻ったところだった。
この時間に甘味を食べるなど、体重を気にする乙女としては躊躇いを覚えなくもなかったが、今日は特別だ。
誰にも知られてはいないだろうが、大きな事件を解決したご褒美ぐらいはあっても罰はあたらないだろう。
それは隣に立つ同僚も同じ気分なのか、嬉しそうな笑顔で前方に見えるショーウインドウの中身へと、じぃ、と視線を送っている。

「白井さん、支部で待っていても良かったんですよ?
大丈夫ですか?」
「もちろん大丈夫・・・ではありませんの。
ですけど折角ですし、今日の一番出来が良いヤツを買っていきたいと思ってますわ」

やはりまだ攻撃を受けたお腹が痛むのだろう。
さすさす、と腹部を擦りながら顔を引き攣らせて答える黒子は、今は第一七七支部の簡易ベッドで眠る上条の姿を多い浮かべているのか、それでも気合をいれて列に並びなおす。

「それにしても、アレは一体何だったでしょう?」
「・・・さぁ。
ちょっと一介の風紀委員(ジャッジメント)には荷が重過ぎる事件なのは間違いありませんわね」

死神に橋姫に花妖怪に、と指折り数える黒子は、一体アレが何だったのかを考えているのだろう。
初春も、ムムム・・・、と首を捻って唸りながら犯人の目的を思考する。

「全く分かりませんの。
・・・今は目の前のケーキを考えることにした方が良いですわね」
「そうですね。
とりあえず帰ってからネットの情報を漁ってみます。
犯人はネットで情報を操ろうとしてましたから、何か手がかりが掴めるかもしれません」

結局何の推論も出せそうにないという結論に落ち着いた黒子がそう言いながら、会計を終えた人が抜けた分だけ列を前に詰める。
初春はほんの少しだけ事件の端を掴んでいるようだが、それでもほとんど分かっていないことには違いなかった。
そんな2人は今、この界隈では有名な部類にあるケーキ屋の列に並んでいる。
花妖怪を倒した後、タクシーを呼んで気絶したままの上条を一七七支部まで運んだ彼女たちは、一応の事件解決を祝ってささやかではあるが上条への御礼の意味をこめてケーキを買いにきたのだった。
10人ほどの女の子たちが並んでいる列の後ろについた少女たちは、何てことはない普通の女の子たちのようにお喋りをしながら行列が進むのを待つ。

「それにしても今日は驚きの連続でした」
「そりゃ妖怪なんてものが出てくるなんて、想像もしませんわよね」

初春が漏らした言葉に、何も考えずに思いついたことをそのまま黒子が答える。
だが、そうじゃない、と言いたげに首を振った初春が、あまり似合わないニヤニヤとした笑みで黒子の方をみやりながら続ける。

「それもありますけど・・・。
今思うと、白井さんが上条さんを連れてきたことの方が驚きです」
「・・・はぁ。
何でですの?」
「随分と仲も良いみたいでしたし、もしかして『お姉様』も卒業なのかなぁって」
「なぁっ!?」

わざわざ黒子の声色を真似て『お姉様』と告げた初春に、黒子は一度小さく動揺の言葉を出してからパクパクと声にならない声を上げる。
頬を真っ赤に染めてそんな態度をとる同僚に、ニマニマとさらに好奇心に溢れた、どちらかと言えばイヤラシイ笑みを浮かべる初春が追求の手を詰めようとぼそり、と呟く。

「お兄様」
「びくっ」
「上条さん、カッコよかったですよね。
花妖怪と戦っているときとか」
「そ、そぉでしょうか・・・?
そんなことはないような・・・あるような・・・」
「何だか動揺してますね、白井さん」
「し、してませんのっ!?
初春の勘違いですわっ!!」

同僚の追求に目を明後日の方向に逸らしながらごにょごにょと慌てふためいて答える黒子へ、回りこむように初春が歩み寄る。
彼女も年頃の女の子である。
恋の話題など、楽しくてしょうがなかった。

「いえいえ、そう邪険にしないで下さいよ。
こんなうろたえる白井さん、楽しくてしょうがなっ!?」
「おだまりなさいっ!」

ずびし、と黒子の水平チョップが初春の喉仏に突き刺さる。
ぶべっ、と乙女にあるまじき、まるでカエルが踏み潰されたような声を漏らした初春が、げほげほと咳き込んだ。

「ぃ、ひどいですよー」
「自業自得ですわよ、全く」

呆れたような声色で答える黒子だったが、初春の目には確かに真っ赤に染まっている頬をした黒子の表情が見える。
再び、この攻めに入ると圧倒的だが受けに廻るとグデグデな同僚をからかってやろうかと考える初春だが、さすがに今度は水平チョップ以上の攻撃が飛んできそうなので自重しておく。
ただし、今度自分たちの共通の友人である佐天に報告してやろうとは考えているあたり、やはり色恋沙汰大好きな女子中学生らしい感覚は捨てきれないようだった。

「・・・でも、そうですわね。
お姉様のこともありましたわ」
「・・・白井さん?」

先ほどまでのハイテンションとは打って変わって、突如ずどん、と落ち込む黒子を初春がいぶかしむ。
御坂さんがどうしたのだろうかとは思うが、黒子のこのコミカルな落ち込み方はそんなに大した問題ではない場合だと初春は良く分かっている。
黒子の場合、本当にやばいことは決して人に頼らず自分で何とかしようと虚勢を振りまく癖があることは分かっていたし、何よりも下手に首を突っ込むとしょうもないことに協力させられそうで面倒くさい、という事情もあった。

「あ、ほら!
もう私たちの番ですよ?
ど、れ、に、し、よ、う、か、な〜?」

都合よく先頭になったこともあり、初春は黒子の言葉をスルーすることにして、ショーウインドウに張りつきながら色とりどりのケーキを眺める。
苺のショートケーキに、ミルフィーユ。
モンブランにチョコレートケーキ。
チーズケーキにフルーツタルト。
そんな定番に一通り目を向けてからお店オリジナルのケーキへと目を向ける。
思わず頬が綻ぶが、女の子なら誰だってそうだろう。
そんな風に考えた初春が隣の黒子に何を注文するか尋ねようとしたとき、後ろからザワザワとした騒動が起こった。

「見つけたぜ」

きょとん、とする。
その男は高校生ぐらいの年頃だった。
たった一人で女の子たちの聖域であるケーキ屋に入ってくる度胸も凄いが、それよりも気になるところがあった。
日本人然とした顔立ちの青年の瞳は、怖気立つような紅色をしている。
そんなあり得ない組み合わせに、魅入られたかのように初春は列を押しのけてまっすぐに歩いてくる男をただ見つめていた。

「まぁ、テメエでいいか。
顔見知りなんだろ?」

誰とだろう。
初春は未だに何かの感情を認識するのを拒否している己の脳へ素朴な疑問を浮かべながら、腕を振り上げる男の動きをただボケっと眺めていた。

風紀委員(ジャッジメント)ですの!
狼藉は許しませんわ!!」
「ちっ」

初春と男の間を遮るように黒子が飛び出す。
外していた腕章を腕に通しながら、男との距離を詰めようとして・・・黒子が空を飛んだ。
まるで、玩具の人形のように男に投げ飛ばされたようだ。

「邪魔だ」
「きゃあああっ!?」

そのまま勢いよく天井に叩きつけられて地面に落ちてくる黒子を、男は片手で無造作に捕まえた。
ぐにゃり、と四肢を投げ出した黒子は気絶しているのだろうか、ピクリとも動く様子が見えない。

「・・・コッチでも良いか」

そのまま荷物を抱えるように黒子を持ち上げたまま、ゆっくりと初春の間近まで近づいていく。
ガクガクと震えることしか出来ずに、涙がこぼれそうな瞳で立ち尽くしていた初春の耳元で、その男が囁いた。

超能力者(レベル5)の第二位、垣根帝督だ。
幻想殺し(イマジンブレイカー)に伝えろ。
コイツを無事に帰してほしければココに来いってな」
「・・・あ・・・あぁあ?」

混乱する頭で手に握られた紙片を見つめる初春を一瞥すると、垣根と名乗った男はそのまま背を向けて店を後にする。
店の人間も、並ぶ学生も、皆、誰もただ呆気にとられ、恐怖で身体の動きを縛られた様子で彼の行動を邪魔するものなどいなかった。

「そ、そうだ・・・!
あ、警備員(アンチスキル)にれ、連絡・・・っ!」

垣根がいなくなった店で、初春は震える指先で携帯電話でダイヤルしようとして、相手が超能力者(レベル5)だと名乗ったのを思い出す。
少なくとも大能力者(レベル4)の黒子をあっさりと倒したことからも、いくら警備員(アンチスキル)とは言え一般人に対処出来る相手だとも思えなかった。

「み、御坂さんに・・・っ?」

次に思いついたのは黒子のルームメイトにして初春の知り合いでもある、超能力者(レベル5)の御坂美琴だ。
だが・・・とやはり躊躇する。
こんな話を聞いたことがあった。

超能力者(レベル5)の第一位と第二位は別格であり、第三位以下は明らかに見劣りする』

初春は無様に泣き出しそうになりながら、とにかく上条に相談するしかないと慌てて駆け出したのだった。

(続く)