本文へジャンプ
main Log information Side Story Gift link

ゼロの使い魔 SS
『蒼の使い魔 第5話』


彼女は困惑していた。
先日行われたメイジとして重要な儀式である、
進級試験も兼ねた春の使い魔召喚に彼女は失敗したのだ。
当然、進級出来ずに留年することになるだろうし、
それどころかとうとう実家に愛想をつかされてしまって、
問答無用で何処かの貴族へ嫁に出されてしまうのではないか、
と戦々恐々としていたのだ。
それが、儀式のあったその日の内に学院長室に呼び出されたと思ったら、

「特例として進級を認める」

と言われたのだ。
その理由が家の力だ、などであれば納得はいかないものの理解は出来た。
だが、そうでは無かった。

学院長である、
オールド・オスマンは続けてこう言ったのだ。

「君が召喚すべき使い魔は、
まだ自分を使役するには君が未熟だと判断したんじゃろうな。
召喚魔法自体は成功しておる」

その言葉はどういう意味だったのだろうか。
昨日の夜から考え続けたが、ついに結論は出なかった。


ただ、言えることは2つあった。
1つは、私の召喚魔法が成功していたと言うこと。
つまり、ゼロの私の魔法でも上手くいくこともあるらしい。
本当の意味で成功確率がゼロ、
というのはあまりにも悲しすぎたから、
これは一つの朗報だろう。

そして、もう1つだ。
まだ見ぬ使い魔は贅沢にも今の私では嫌だと、ダメ出しをしやがったのだ。
正直頭にきた。
でも・・・確かにそうかもしれない。
例えば、自分が昨日誰かが召喚していたような立派なドラゴンを召喚していたら?
もしかしたら、そこで私の意識は止まってしまったかもしれない。
こんなにも立派な使い魔を召喚しました。
だから私もすごいんだ、なんて勘違いをしていたかもしれない。
自分で言うのもなんだが、私は雰囲気に酔いやすいのだから尚更だ。

そうだとすれば、きっと私の使い魔が私の前に現れなかったのは、
まだ1人で頑張りなさいって言うことなんだろう。
少し挫けそうだけど、私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
ヴァリエール公爵家の娘だ。
だから、大丈夫。
頑張れる。



ゼロの使い魔SS 蒼の使い魔 第5話



ルイズが朝食の時間にベッドから起きだし、
寝不足で重い頭をふらふらと揺らしながら生徒寮の廊下を歩いていると、
青い髪の少女とすれ違った。

その特徴的な青い髪の少女は、
ガリアからの留学生で名前はタバサとか言っただろうか。
その奇妙な名前は偽名だろうが気にかけるほどでもない。
私生児とか、政略の都合だとか、
偽名を名乗る理由は貴族の世界ではそれこそ売るほどある。

・・・でも、どうして彼女は意識の無い男性の足を掴んで引きずっていたのだろう。
そこだけは理解が出来ない。

もしかして、そういう・・・プレイだろうか。
ってそんなバカな!?

ルイズは頭に浮かんだ不埒な想像を追い出し、
未だ休息が必要だと訴えてくる健気な頭痛も無視して、
大人しく食堂に向かうことにした。


朝食を終えても、ルイズの気分は晴れなかった。
この学院の料理の質は高く一流と呼べるものだから、
普段通りの雰囲気であればルイズもイラついた気持ちを少しは軽減出来ただろう。
しかし今日に限って言えば、彼女の気分はむしろ悪くなったほどだった。

ルイズは失念していたが、
当然のように朝食の席での話題は使い魔の話題一色であった。
貴族とは思えぬ騒々しさが満ちた食堂で、
自分の使い魔はどうだった、お前の使い魔はどうだなど、
耳からそんな声が入ってくるだけでルイズの心にどうしようもない空しさが溢れてきた。

でも、そんな惨めな自分を認めたくなくて、
必死にその場から逃げ出そうと悲鳴を上げる心に活を入れ食事を続けていたら、
思ったよりも疲弊してしまったようだ。

寝不足と言う体力的な疲労に加え、
精神的な疲労までもが肩にはずっしりと圧し掛かり、
行きよりもふらふらとした足取りでルイズは自室までの道のりを歩く。
悲しくて、泣きそうなのを堪えている訳ではない。
悔しくて、暴れてしまいそうだった。
適当な棒か何かを持ち出して学院中のガラスでも割って廻ることが出来たら、
どれだけすかっとするだろうか。
ついでに貴族としての振る舞いも頭の中身も0点な、
同級生どもの頭もかち割ってやれたら最高だ。

彼女はぼんやりとした頭でそんなことを考える始末であった。
つまるところ、イライラはピークに達していた。
どのくらいルイズが限界であったのかと言うと、

「おい、ちょっといいか?」

「じゃまっ!!」

無礼にも貴族に対する礼を持たずに話しかけてきた平民を、
問答無用で蹴り倒すぐらいである。

貴族のお嬢様らしい白磁の肌と艶やかでふわふわとしたブロンドの髪を持ったルイズが、
お人形のような華奢に見える風体とは打って変わって、
見事なまでの速度と角度で放ったハイキックは男の首筋に寸文の狂いもなく突き刺さった。

めぎりぃ、
と言う異音が辺りに響くと同時に、無礼な男が廊下に沈んだ。
ルイズはふん、とふんぞり返って見せてから、
物言わなくなった平民を目じりを吊り上げて見下ろした。

「で、何?
言っとくけど、私機嫌最悪だから。
何か言っても蹴るし、言わなくても蹴るわ」

ぎろり、と言う効果音がぴったりなぐらい胡乱げな目つきで倒れた男を再度一瞥し、
そう吐き捨てるかのように言ってのけた。

首筋への攻撃により脳への酸素が絶対的に足りなくなった、
倒れ伏した男こと才人は朦朧とする頭で思った。

・・・ああ、こりゃもう手遅れかもしんね。
もうコイツ、性格歪んでるわ。



「・・・はぁ。
で、何。
平民のアンタがわざわざ、使い魔の召喚に失敗した私を慰めてくれたわけ」

「へ?
ああ、そういうことなのかな?」

才人はきょとんとした顔で少女を見つめた。
話しかけた経緯とその理由を何故か正座で喋らされていた才人であったが、
あまりそのことについて気にかけた様子も無かった。

先ほどの癇癪は確かに頭に来たが、
何しろルイズは見た目とびきりの美少女である。
それだけで才人のリミットブレイクは当社比2000%を軽く超える。
つまり、美少女相手では怒らない、泣かせない、下着は盗まない、
それが平賀 才人のジャスティスであった。

しかもルイズは消沈しているはずである。
例えどれだけ性格が破綻していようと、
貴族が魔法を使えないことはショックなことだと才人は知っていた。
そんな時は優しく慰めてやることが大切だ。
そして、対等な理解者が必要なのだと、何と無く分かっていたのだ。
ルイズは知る由もないが、才人は珍しくも下心など一切なしに彼女を慰めていた。

さすがに自分が使い魔だとか、
自分の主人もルイズと同じような境遇だっただとか、
実は俺の前に召喚のゲートが現れたんだよアハハだとかは、
さすがに言っていない。
それでも才人は一生懸命に言葉を重ねた。
ソレに対して、ルイズは当初面食らっていたようであったが、
我に返ると、才人にそんな確認の言葉を求めてきたのだった。


・・・もちろん、平民に慰められるなど、
彼女のプライドが認められるわけもない。

「ふ、ふふふふふっ、ふざけないでっっっ!!
わ、私はヴァリエール公爵家の三女、
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよっっ!
どうしてアンタみたいな平民にそんな分かったような口をきかれなきゃいけないのよっ!!」

ルイズは烈火のごとく怒り狂った。
そりゃあもう、
ルイズに火を吹く能力があったら辺り一面火の海と化していただろう怒りっぷりだ。
彼女にして見れば、知り合いですらない所か、
初めて会った平民にいきなりそんなことを言われたのだ。
ある意味当然の反応である。

「・・・はい?」

才人がぽかんと口を開けて呆けている間にも、ルイズの言葉は続いた。

「アンタに言われるまでもないわよっ!
私は立派な貴族に、
優秀なメイジになることを決して諦めなたりなんてしないっ!
ていうか、アンタよく見たら朝の引きずられ男じゃないっ!!
本気でアンタにとやかく言われたくないわっ!!!」

ルイズはそう叩きつけるように才人に暴言を吐き出すと、
肩を怒らしそのままぷんぷんと怒りながら去っていってしまった。


「ま、少しはストレス解消になったかな?
・・・しっかし、あの怒りっぷりは本気で驚いたね。
何故だか、絶対服従しなくちゃいけない気分になるぜ」

1人取り残された才人は暢気に呟いた。
それでも1人でふつふつと抱え込んでいるよりは、
罵りあいでも喧嘩でも何でも発散できる方がよっぽどマシだ、
というのが才人の持論だから怒らせても別に構わなかったのだ。

「それに、
平民で無ければ話を聞いてくれるっていうなら、
うん、全部話してやるぜ」

何かを企んだかのように含み笑いを浮かべて、
才人は国家機密となっている自分の存在をばらすと、あっさりと言ってのけた。

彼一人しかこの場に居ないのにも関わらず、
含むように言ってのけた彼は何かを待っているようだった。
そして・・・少し経って何もリアクションが無いことに気付く。

「あれ?
おーい、地下水、俺の判断が良いのか悪いのか相槌うってくれよ、
一人で喋ってたら、俺バカみたいじゃ・・・って、ああ」

そこで気付く。
彼の相棒であるインテリジェントナイフは今は朝食の後片付けをしているだろう、
メイドさんの手にあることに。

「そういやシエスタに貸してたっけ。
うわ、俺独り言の激しいヤツみたいじゃん!
恥ずかしー」

うひゃあ、などと声を上げつつ、
才人はその場を後にした。
居たたまれなくなって逃げ出した、とも言うが。



ルイズは叫んだからか、幾分すっきりとした様子で授業にのぞんでいた。
彼女が教室に入ってきた際に、
先に教室にやってきていた生徒たちが一斉に振り向いたと思ったら、
彼女の顔を一瞥するやそそくさと前に向き直ったことから、
それでも彼女が『触るな危険』であることには変わりは無かったが。

というより、相手の分からない靄のようなものと向き合っていた朝方とは違い、
明確に意識できる存在を得たルイズの様子は傍から見ると、
どす黒い感情をそこら中にばら撒いているようにしか見えなかった。
ルイズは先ほどの無礼な男の態度を思い出し、
苛立ちを隠そうともせず舌打ちした。
彼女の前方と後ろに座っていた生徒たちが立ち上がり席を移動する。
ルイズの周り、8マスは誰も座っていない。
それぐらい彼女の機嫌は悪いように見えたのである。


2年になってから初めての授業は、知らないおばさん、
確かシュヴルーズとか言う名前の女教師のものだった。
土系統の錬金の魔法について講義が始まった。
ツェルプストーの女が
「ゴールドですか?」
などと尋ねていたが、どう見ても真鍮だ。
よしんばミセス・シュヴルーズがスクウェアだとしても、
そう気軽に金は練成出来るものではない。

座学については学年、いや学校の生徒全員と比べてもトップだと思っていたルイズは、
冷めた視線で分かりきった内容の授業を見つめていた。
が、それが災いしたのだろう。

「それでは実際に貴方達に錬金をしてもらいましょうか?
・・・ミス・ヴァリエール!
そんなに目立つように座って、
かつ、つまらなそうに授業を聞く貴女はよっぽど自信があるようですね?」

「え?わたし?」

彼女は驚愕の表情を浮かべた。
何しろ1年のときには実践で彼女が指名されることなど無かったのだ。
どういう結果になるか、先生方も分かっていたからだ。
ミセス・シュヴルーズはその事を知らないのだろうか?
思わず首を捻ってしまう。

「さぁ、おやりなさい。
失敗を恐れていては、何も出来ませんよ?」

どうやら、そうでもないらしい。
知っていて、かつやってみろと言っているようだ。
『ルイズの実践』の意味を知るクラスメイトたちの野次を、
ぴしゃりと抑えつけたことからもそれは明らかである。
・・・なるほど、どうやらミセス・シュヴルーズは教師としてそこそこ優秀なようだ。

「やります」

そうであるなら、ここは彼女の好意に素直に従うべきだろう。
まぁ、ルイズの健気な魔法が、ミセス・シュヴルーズの思惑に乗ってくれるとも思えないが。

「ミス・ヴァリエール。
錬金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです」

ルイズはこくりと頷くと、
真剣な顔で呪文を唱え杖を振り下ろした。

瞬間、あの小憎たらしいあの平民の顔が浮かんだ。


媒体として用意されていた小石がさらりと崩れる。
ルイズはぎょっとして、
成功した?
と思ったのも束の間、

どかんっ!

机が大爆発した。
凄まじい爆風が起こり、体重の軽いルイズも、それなりのミセス・シュヴルーズも、
差別無く吹き飛ばされた。
ルイズのことを良く知っている生徒たちは机の下に隠れ、
彼女の魔法対策として持ち込んでいる防災頭巾ですっぽりと頭を覆っていたため、
ルイズの第一波で怪我を負った生徒は一人も居なかった。

が、使い魔たちはそうもいかない。
初めて見る、
未知の、触れてはいけない類の力を目の当たりにした、
まだ制御の十分に取れていない使い魔たちは問答無用で暴走した。

やり過ごせた、と思っていた生徒たちも第二波の存在は予想外であったため、
阿鼻叫喚の騒ぎに巻き込まれた。
純粋な力押しなら人間など及びもよらない使い魔たちは、
あっさりと未熟なメイジたちを駆逐していく。
ばたりばたり、と次々と生徒たちは倒れ伏していく。
最早死屍累々の状況である。


そんな勉強をする雰囲気とは180度異なる風景の中、
我関せずと教本を広げていた少女が立ち上がった。
どうやら彼女の勉強をする環境の閾値を越えてしまったらしい。
ルイズ以上に華奢な身体の作りをした彼女の口からスペルが洩れる。

「スリープ・クラウド」

彼女のオリジナルの、
通常のスペルに水を一つ足すことで
体温を急激に冷やし眠りの効果を倍増させるという魔法である。

魔法の耐性が弱い使い魔たちがばたりばたりと眠りにつく。
しかし、さすがに全部は無理なようだ。
となると・・・。

「きゅいいいいいいいいいっ!!!!」

窓ガラスをびりびりと揺らしバリバリと破り、
外で待機していた風竜が咆哮を放った。
昨日見た限りでは少女のこの使い魔が、今年最もレベルの高い使い魔であった。
であれば、竜の威嚇で残りの使い魔たちの暴走も止まるだろうと考えた結果である。
案の定、使い魔たちは一瞬硬直した後、次々と我を取り戻したようだった。


むくりと起き上がったルイズは見るも無残な姿だった。
ブラウスは破れ、華奢な肩が見えている。
スカートも裂け、パンツがちらちらと覗いていた。
しかし、彼女もさるものである。
大騒ぎから収集をどうにかつけた教室で、
堂々と意に介した風も無く言ってのけた。

「ちょっと失敗みたいね。
でも、皆も情けないわ、使い魔の制御が甘いわよ」

「お前が言うな」

ぼそりと、騒動を止めた彼女こと、
タバサはため息まじりに呟いた。
他に突っ込みを入れられるだけの元気のある
生徒が残っていなかったのだから仕方ない。



「はぁ・・・、これ何時終わるのよ・・・」

ルイズはため息を吐いた。
滅茶苦茶になった教室の片付けをするように命じられたのだが、
何しろたった一人である。

別の教室で授業は行われているため、
授業自体に支障はない。
だから彼女以外の生徒は皆、改めて土の授業を受けているだろう。
とは言え、教室の片付けもしなければいけない訳で、
ルイズ一人が罰として修繕するように言いつけられたわけである。

とりあえず散乱したゴミを片付け、
教室のまだ使える机と床などの整理と掃除はなんとか終えた。
だが、

「講師用の机に、生徒用の机が6つ、窓ガラスの張替えに・・・はぁ。
こんなの私一人で運べるわけないじゃない」

外見通りの体力しか持たない、
と言うより女の子であるルイズがやるにはかなりつらい作業が丸々と残っている。

「そもそも、生徒机は使い魔の暴走だし、
窓ガラスはタバサの竜が壊したんじゃない。
どうして私が・・・」

文句を言っても始まらないのは分かっているが、
出てくるものは出てくるのだ。

もう一度ため息を吐いてから、
仕方ない、なんとかやってみようと決意する。
根は真面目だし、無駄な程にプライドの高い彼女である。
一度罰を受けた手前、やらずに逃げ出す訳にはいかないのである。

隅っこに寄せておいた壊れた机を運びだそうと両手で抱える。
そして持ち上げようとした瞬間、
がらがらっ
びりびりっ
2つの音が響いた。

「おーっす。
手伝いにきてやったぞー」

片方の音は才人が教室の扉を開けたものだった。
事情を風の噂で聞き、手助けに来たのである。

そして、もう一つの音は・・・

「ん?
あんたさっきの平民?」

「おうっ、さっきはちと悪かったからな。
そのお詫・・・」

殊勝にも手伝いに来てくれたとは、ちょっとは見る目があるのかしら、
と才人のことを見直そうとしたルイズであったが、
言葉が途中で止まったので、怪訝な視線で彼を見つめた。

なんだかアイツの目つき、イヤらしいのよね・・・・?

「・・あ・・・あぅ・・・それ」

パクパクと口を開け、恐る恐るこちらに指を向ける才人に
首をかしげながらルイズは自分を見下ろした。

「・・・へっ?」

そして彼女は自分の格好を見て硬直した。

「し、下着っ!!
なんだそれっ!
俺を挑発してんのかっ!?
オーケーかっ!
オーケーってことかっ!!!」

才人は硬直から立ち直ると、興奮のあまり野生化した。
理性の少ない才人らしく、そりゃあ見事なほどに野生化した。

うひゃらおおおおおっ!とか奇声を上げつつ、
机に出来ていたかぎ裂きでもうぼろぼろだったブラウスとスカートが完全に破けて、
上下の下着のみとなっていたルイズに才人が襲い掛かった。

「ざけんなっ!!?」

そして、
感心してみせたらこれか、いっそ清々しいわっ、
と考えたルイズのカウンターの拳がずがりっ、
と才人の頬にめり込んだ。

「のべりばっ!!!!」

ごろごろと才人は転がり、ぴくりとも動かなくなる。

「あ、あああああああんた、
残り全部やっておきなさいっ!!」

ルイズは才人に吐き捨てるようにそう叫ぶと、
おもむろに才人が羽織っていたマントをむしり取った。

「ま、無いよりはましよね」

下着だけとなってしまった身体を隠すようにマントで覆い、
ルイズはそのまま教室を後にした。

(続く)